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妄と想

週末作家の連想いろいろ。https://twitter.com/KeitaIriyama

あのころ、敵は怖かった(映画の話その2)

 敵は怖かったというお話です。

 

 小学生のころ、ロボコップ2に出てくるケインがほんとうに嫌いだった。理由は、怖すぎるから。覚醒剤中毒者の脳を使った首と尻尾のないティラノサウルスじみた巨大サイボーグ。股間にガントリングガンが生えているうえに、ヌークという覚せい剤のカートリッジを補給してあげないと不機嫌になる、等々、書けども書けどもロボコップに退治して欲しい要素しかない邪悪なサイボーグでした。高速でまばたきしながら袋詰めした蛇を見るような、あのコマ撮り模型の奇妙な動きも相まって、自分の家ながら逃げてしまいたい気持ちになったものです。

 

 また、当時は本気で殺しにかかってくる敵のヴィンテージイヤーが続きターミネーター2の液体金属の警官、グーニーズのフラッテリーファミリー、チャイルドプレイのチャッキー、ペットセメタリーのゲイジ、ジェイソンやプレデターインディージョーンズの遺跡の罠と、小学生の僕にとっ、あの時代のアメリカ映画の敵ほど怖いものはなかったです。その影響たるや、現在でもレンタルビデオ屋にあったような日差しに褪せ、薄い黄色に青系のインクが残った古いVHSのパッケージを見ると、なんだ、コナン・ザ・グレートか、ああよかった。などと、反射的にゾンビ映画かどうかを確認してしまうほどなのです。

 

 あの、主人公が本当に死んでしまうかもしれないと思わせるハッタリの妙、作中のピンチが本物のピンチに見える感覚、こういった手作り感があるのに現実を超えた恐怖というのは、たとえ失われた技術としてでもいいので見ておいたほうが面白いかな。などと思う一方、果たしてあんなに恐ろしいものを今の子供に見せていいものかどうか、断言できない自分もいます。